留学生のパス―短期語学留学

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留学生のパス―短期語学留学

面談は予想していたよりたくさんの先生方によるものでした。

校長室に一人一人入って行くのですが、出てきた生徒たちはみな一様に青ざめていました。

校長先生を初め約20人は先生たちが揃っていたものと記憶しています。
校長、副校長、高校2年生のクラス担任たち、各学年の英語の教師たち、学年主任などの顔がありました。

生徒の方は一人ずつでした。校長室にすし詰めで席もなく先生方のほとんどが立たれている中、生徒はたくさんの高い位置からの大人の教育者たちの視線に耐えながら一人パイプ椅子に座って面談を受けなければなりませんでした。

青ざめても仕方ありませんよね。

しかしこの状況は、私にとってはチャンス到来です!

留学というのは紙の上での行為ではありません。

現地で一人学ぶことに貪欲にトライしていくものです。

いくら普段の成績が良くても、チャンスを最大限に生かして現地の人間を通して学ぶのはまた違った能力が必要になってくるものと思います。

性格やどのくらい留学したいという気持ちをもっているかも大事なのです。

学校側が勝手に決めた内定者たちに、私以上に留学したいという気持ちがあるようには見えませんでした。

人と話す能力、物事に怖気ずに取り組んでいく力も私の方があるという自信もありました。

面談でこのあたりを見てもらうことが出来れば、チャンスはあるのだと希望も持っていました。

普段の成績では全く太刀打ちは出来ませんが、この面談に賭けていました。

面談ではまず校長先生からいくつかの質問を受けました。面談はほぼ日本語でした。

自分がいかにこの留学を望んでいるかということ、やってみたいこと、掴んで行きたいことたちを出来るだけ魅力的に話しました。

たくさんの先生たちの顔に怖気づくことなく話せました。

質問者の先生の目だけでなく、一人一人の先生方の目を代わる代わる見て話しました。

人と話すことが得意なこと、スピーチ等をこなせる勇気があること、何より学年で私が一番この留学制度を利用したいと思っていることを懸命にアピールしました。

面談室の校長室から出てきた私は満面の笑顔だったようです。

次に並んで待つお友達がそう言っていました。

その夜担任の先生から電話で私が正式に留学生と決まったと連絡がありました。

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