日商簿記資格取得と将来性

koza-main-nishoboki

簿記

数年前、日本商工会議所は、日商簿記「4級」を廃止し、「初級」を新設することを発表しました。

初級は、基本知識な内容に絞って、旧来の4級は3級に統合することになるようです。また、初級の試験はインターネットを通じてパソコンで受験する形になります。

簿記講座の選び方(重要)

とにかく簿記で一番大変なのは最初の取引と仕訳と元帳転記と決算修正までの流れです。

とにかく決算までの一連の流れさえ理解することが出来れば、後は難易度の高い仕訳ができるようにひたすら練習問題を解くだけなのです。

つまり、通学でも通信でも独学でも、簿記はどのような形でも合格レベルに達することは出来る試験です。

専門学校を利用する唯一のきっかけは、最初の「取引→仕訳→元帳→決算→試算表作成」までのそもそも概念がどうしても分からないという場合です。

denntakukeisan

ここは、簿記の学習の開始時にきっちりと頭の中に整理して入れておく必要があります。

最初にこの概念をしっかり理解しているかどうか、基本的なそもそもの簿記の仕組みを確実に理解しているかで、3級から、2級→1級と進んだ際のつまずき具合に影響してきます。

勘定フローの概念を疎かにしたまま3級を何となく通過すると、2級の工業簿記・原価計算で大いに苦しむことになります。

意外ですが、初期の簿記概念をしっかりと頭に入れておけば、2級も比較的独学で進めることは出来ます。

そのため、簿記の基礎理解をしっかりしておきたいと考えている方、学生の方などは、3級だけ専門学校の講座を利用し、逆に2級は独学で行くというパターンも考えられます。

簿記は独学で1級まで取得できる試験ですが、初期概念を理解するためには必ず誰もが結構な遠回りをします。

簿記の2級→1級、もしくは将来的に税理士試験や公認会計士試験の合格を目指される方は、最初のスタートである簿記3級の学習を甘く見ず、時間を掛けて完全な理解に努めてください。

だからこそ、頭の中に簿記の概念がないまっさらな状態の時に最初から正しい考え方をマスターしておくことの重要性は他の資格試験に負けず劣らずあるのです。

例えば税理士や会計士など、会計の分野で生計を立てていくことをお考えであれば、3級レベルはどんな問題でも必ず満点が取れるようにしておくべきです。

3級レベルなら絶対に100点が取れる、その状態を目指さして基礎を固めておくことが、会計の分野でスムーズに上位資格の取得につながることは間違いありません。

bokibokis

事務で潰しの効く最高峰の資格

簿記は事務員の仕事を行う方には既に3級レベルでは評価されないほどポピューラーな資格になっています。経理部で働くのであれば、最低でも2級レベルの知識は持っていたいものです。

簿記といえば経理や財務と直感的に考えてしまうのですが、簿記は会社の根幹をなすお金の動きを数字に並べ替えて判断する、いわば会社の状況把握のための必要最低限の知識です。

一般的には新入社員教育にも必ず含まれているのがこの簿記や会計の講座です。

経営のことを数字で把握するためにも、簿記の知識は必要です。例えば、勘定科目ひとつとってみても、資本金勘定や売上勘定、更には、売掛金勘定に得意先別売掛金勘定など、どういう仕組で数字が作られているのかは、営業マンの必須知識になっています。

資産科目と損益項目のつながりも要チェックです。例えば、12ヶ月分の前払いをした保険料は貸借対照表上は資産計上されますが、決算の時に半年分来期に属する保険料部分があれば、半分は当期の費用にして、半分は来期の資産に計上します。

この例に出した保険料のように、費用が資産に変わっていくものを費用性資産、売掛金のように将来現金という貨幣に変わっていくものを貨幣性資産と言ったりします。

こういった損益計算書と貸借対照表の表裏一体の仕組みを2級レベルで把握しておくことは、全てにおいてつぶしが利き、自ら事業を行う上でも必須の知識となる種類のものになります。

そのため、職業人としてはどのような職業に就いていても僕の知識は知っておいて損することはありません。確定申告や納税は誰もが行うべき義務であり、そういった税金に関連することも簿記では学ぶからです。

itimannenn

簿記で合格するためには

簿記3級は初心者でも2,3ヶ月あれば取得できます。そして簿記3級の知識があれば、半年で2級は取得できます。

最初に勘定の流れを徹底して覚えてしまうことが合格の近道です。とにかく覚えることが早いということで勉強を進めてしまうと、後で必ずつまずきます。

そうなんです、簿記は勘定の流れを理解してしまわなければ、仕訳を切ることが難しいのです。「簿記は仕訳に始まって仕訳に終わる」なんて言葉を私も簿記の学習をしている頃に聞いたことがあります。

まさに簿記の最高峰である税理士試験の簿記論の試験においても、最初の問題はおそらく今でも仕訳を切るという問題です。

仕訳というのは、右と左に勘定科目を並べて、右と左の項目の金額の合計を合わすという非常にシンプルなものです。それだけの単純な仕組みです。

しかし、現在のような発達したパソコン会計ソフトのシステム内部でもやっていることは勘定ごとに整理していくことです。

仕訳段階での入力は結局は簿記を学んだ人間もしくは、経験的を積んだ事務員が、仕訳を入力することから会計システムは動き出します。

結局仕訳ができなければ、会計は分かっていないということになるのです。商品を売り上げた時に行う、

売掛金 ◯◯円 / 売上 ◯◯円

という仕訳をきちんと切ることが出来るかどうか?それが簿記の勉強になります。

仕訳を通じて会計全体や経営のことやビジネスのことを見渡していく、そんなロマンが簿記にはあります。

身近で誰もが取得でき、多くの方が資格を持っている簿記ですが、深く突っ込んで考えていくと、経営判断に通じるビジネスの共通語を扱うビジネスマンとしては欠かせない知識という結論になるのです。

bokikaikeinos

簿記

簿記の資格は非常にポピュラーな資格で、受験しやすく、高校生から定年退職後の方まで幅広い受験者層がある試験です。

簿記がなぜこれだけ幅広い方から支持されているかというと、それはやはり会計というものがどんな仕事をするにしても必ず付きまとうものであり、簿記の仕組みを知っていることは経済の仕組みの入り口を理解するということに繋がるからです。

この簿記の資格を取って独立しようとか簿記の資格を取って○○しようなどという明確な意思を持っている方のほうが少ないような気がします。

明確な目標を持っておられる方は例えば税理士や会計士などの資格へ進んで行こうと考えている方です。

多くの方は履歴書に書ける資格であるからとか、事務員には欠かせない潰しの利く資格だからといった理由などでまずは簿記の2級を取っておこう、というような気持ちで受験を決意するようです。

また、そういった気持ちで受験する方をも歓迎してくれるのがこの簿記の資格ではないでしょうか?

簿記はその試験の実施団体別に3種類のものがありますが、一番人気のあるのは日本商工会議所主催のものになります。

簿記の3級試験であれば科目は商業簿記だけですし、初心者でも2ヶ月ほどしっかり勉強すれば合格できるレベルになります。

一般企業の経理部門で働いておられる方なら、簿記の3級であればすぐに合格できるくらいのレベルになります。

この資格を取得するのであれば3級までよりも2級、1級まで取得しておく方がアピールになります。

2級であれば工業簿記や原価計算など勘定科目の複雑な流れなども理解しておく必要がありますので、3級よりはかなり踏み込んだ内容となります。

bokinobennkyou

2級ですと初心者が勉強を始めて半年くらいは必要になります。

合格率○○%といったような競争試験ではなく、点数で合格が決まる試験ですので、対策も立てやすいですし、しっかり試験勉強を行っていれば必ず受かる試験です。

1級になりますと、内容的にはかなり難しくなり、専門学校などを利用して学習を進めた方が時間的にも学習効率的にも無駄が少なくなってきます。

下表の試験内容にも「大学程度の商業簿記、工業簿記、原価計算並びに会計学」を取得しているレベルとあり、かなり高度な内容が含まれます。

簿記の資格は、会社での経理部門や会計事務所で記帳業務に当たる方はぜひ2級までは取得しておくことが望ましい資格です。

取得すると簿記の技術の証明にはなりますが、特に資格手当てなどは付かないとことが多いでしょう。

1級まで取得しておれば、資格手当てなどが出される会社もありますが、2級であれば資格手当てなどは期待しない方が良いかと思われます。それくらい幅広い方が保持している資格になっています。

簿記

TACの1月~7月簿財速修コース
2年間受講体験談目次(雰囲気などもわかります)

1.速修コースの開始1ヶ月程度
2.クラス開始から2~3ヶ月目
3.速修クラス開始4ヶ月目~5ヶ月目
4.TACの自習室について
5.カリキュラム完了と直前1ヶ月
6.直前全国統一模試のこと
7.簿記論・財務諸表論の試験当日
8.受験2年目の学習開始について

簿記2級取得体験談

回答者のデータ
合格した資格名:簿記2級
年齢:(30代OL)
性別:女性
利用した講座名など(専門学校名など):LEC
概算学習時間(学校の授業を含む):300時間以上

Q1 この資格を何で知りましたか?

日商簿記検定の存在は、高校時代に知り合いが勉強していたことから知っていました。

私自身は社会人になってからも簿記とは無縁の仕事をしていたため、簿記自体の内容や試験内容について知ったのは実際に検定の受験を決め、勉強を始めてからでした。

Q2 この資格を取ろうと思ったきっかけは?

30代となり、今後どのように仕事をしていきたいかを考えた時に、それまで続けてきた仕事が業種特有の事務職であり、会社で必要な資格は取得したものの、この先離職したら何も残らないのではないかと不安になりました。

自分自身のスキルアップのために、以前より興味のあった経理職につながるものを勉強してみようと思い、簿記を選びました。

Q3 この資格取得のため、どのような勉強をされましたか?

 

簿記知識ゼロだった私は独学で3級に合格後、2級に挑戦。

約3ヵ月間、週2回、2時間半、スクール(LEC)の講義を受けて試験範囲の内容を網羅し、講義がすべて終了後にひたすら問題を解きました。

LECでは、テキスト講義が商業簿記一通り、工業簿記一通りと続き、各項目の重要度を星印3つで区別した説明を聞きながら、並行して問題を解き、その後、総まとめ講座、問題演習講座、全国統一模試講座と続きました。

Q4 この資格の学習期間(時間)はどれくらいですか?

勉強開始から合格まで約8か月。

Q5 モチベーションの維持のためにどのようなことをされましたか?

途中で投げるのは嫌な性格なので、特別なことはしていませんが、合格したら~できるとか、~を買えるなど、単純な楽しみは設けていました。

Q6 会社での待遇やキャリアアップにつながりましたか?

直接会社での待遇やキャリアアップにはつながりませんでしたが、会社で年度初めに設ける個人目標に掲げていたので、成果を出せたということでよい自己評価ができました。

Q7 現在、実際にこの資格を活用できていますか?

資格取得後に退職、結婚、転居により環境が変わり、現在仕事に就けていませんが、仕事復帰する際に活用できればと思います。

Q8 これからこの資格を目指される方にアドバイスをお願いします。

 

スクールのカリキュラムは、短期間で試験範囲を要領よく勉強するのに役立ちます。

通学時は知識の詰め込みが少々つらくもありましたが、やはり疑問点を直接講師の先生に質問できる点や試験の出題傾向、予想問題に触れることができるので、全く初めて勉強される方にはお勧めです。