４４　「本試験３カ月前の出来事」(社労士合格体験談)

私の祖母は、数年間入退院を繰り返していました。

「狭心症」という心臓の病気のためです。

祖母が入院していた病院は私の会社から車で５分のところにあり、私は仕事帰りによくお見舞いに行きました。

それでも週に１、２回というところでしょうか。

毎回１時間ほど病室にいました。

私はよく、社会保険労務士の勉強の話をしました。

すると、「がんばっていい会社に入ったのに、まだ勉強するの？体を大切にしながらがんばりな」と言っていました。

祖母は病気になって、健康が一番大切なことを身にしみてわかっていたのかもしれません。

「ばあちゃん、勉強があるから帰るよ。また来るからね」と言いました。

すると、「もう帰っちゃうのかい？もっといなよ」と冗談っぽく笑いながら言いました。

でも本当は寂しかったのだと思います。

私は、帰る時はいつもつらい気持ちでした。

私がテストで良い成績を取ると、誰よりも喜んで小遣いをくれた祖母。

私の結婚を一番喜んでくれたのも祖母でした。

その祖母がなくなったのです。５月の終わりのことでした。

私にとって「早すぎる死」でした。

「なんで、ばあちゃん死んじゃったんだよ？まだ社労士の合格証書を見せてないじゃん」そう心の中で叫びました。

祖母のお通夜と葬儀は流れるように行われました。

私は祖母を失った悲しみと葬儀の疲れのため、「勉強をする気」がおきませんでした。

でも、一日たりとも勉強をすることはやめませんでした。

「もし今年合格しなかったら、なんのために祖母の病室から早めに帰ったのかわからないではないか？」そんな気持ちでいっぱいでした。

祖母はもういませんでした。

でも私の心の中では、「がんばれ、最後までがんばれ」ずっとそう応援してくれていたような気がします。

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