２３　「本試験前日」(社労士合格体験談)

うだるような暑さの８月下旬。

私の会社では、社員が交替で夏休みをとります。

私は、「夏休み」という響きはとても好きです。

「ヒグラシ」の涼しげな鳴き声を聞きながら、縁側でスイカを食べるのは風情があります。

そうそう、夏休みといっても小学生のあの夏休みとは違いますよ。

そんなに休んでいたら、間違いなく会社はクビですよ。

連続３日の休暇のことです。その貴重な３日間も、すべて勉強にあてました。

海で日焼けした同僚とは対照的に、私はまるで「あおびょうたん」のようでした。

そして、いよいよ本試験は翌日にせまっていました。

独学での勉強も残り１日です。やれることは限られています。

私はもう一度、選択式と択一式で間違えた問題を確認しました。そして、基本書に目を通しました。

基本書を熟読する時間はありませんでしたので、軽く全体を読み直す程度でした。

文字を目で追っているだけのようで、内容はあまり頭に入ってきませんでした。

初めての本試験なので、プレッシャーはありませんでした。

でも、久しぶりの受験ということもあり、ある種の緊張感がありました。

勉強は昼過ぎで切りあげて、家の近くの駅まで散歩しました。

翌日乗る電車の時刻を確認するためです。

試験会場は私が住む県の隣にあったので、本試験当日は電車で２時間弱かかる予定でした。

７時発の電車に乗らなければなりません。

家に帰り、受験票と筆記用具を準備しました。

念のため消しゴムは２個、そして鉛筆削りも用意しました。

鉛筆を削りながら、「もし、今年合格したら、『社労士試験、独学で５カ月一発合格』なんて本が書けるかも」などとずうずうしいことを考えていました。

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