20.活かし方とその将来性について(2)(マンション管理士合格体験談)

最近、マンション管理業界では、「第三者管理方式」という新たなマンションの管理方式に注目が集まっています。

これまでのマンションの管理は、管理組合運営方式という考え方が基本にあり、各区分所有者で構成される管理組合というものが自治という観点に立って、自分たちでマンションの管理・運営を行うという、いわば「理想」を掲げてきました。

しかし実際には、普段別に仕事を抱えていて忙しい日々を送っている人々が、休日に理事会や総会などマンションの管理に関することを積極的に行うというのは、現実的に言って難しい(もっと言うとそんなことやってられない)というのが実際のところであり、それが本音でしょう。

また、先のコラムで書きましたように、居住者の高齢化が一層進む中にあって、管理組合という組織の担い手不足の問題がより深刻になっていくのは明らかと言えます。

「第三者管理方式」というのは、こういった実情を考慮して、管理組合に代わる第三者に、これらの管理・運営業務を委ねるという話であり、この担い手の一つの主体として、最近にわかにマンション管理士の存在が注目を集めるようになってきました。

実際にこの第三者管理方式が採用され、マンション管理士が積極的に活用される事例も少しずつではありますが、増えてきています。上のような状況を考慮すると、マンション管理士が活躍するフィールドが今後、さらに広がっていくことは確かであると言えます。mannsyonnaozora

ただ、私が気になっているのは、社会のニーズというよりも、むしろ現在のマンション管理士という資格を持っている者の有益性という点にあります。

原則論を言えば、マンション管理士試験に合格し、登録を受けることによってマンション管理士となれるのですが、実際には試験に合格しただけでは、とてもマンションの管理業務を現実のものとして担うことはできません。

実際のマンション管理はもっとドロドロした側面ばかりです。

「住む」という人間生活の最も基本的な部分に接しているが故に、見たくないものが見えてくる場合もあります。
この仕事を担う上では、折衝力のような、人間としての基本的な力が問われるような気がします。

何の試験でもそうかも知れませんが、試験に合格するのは歩みの一歩です。試験に合格すると同時に日々の自分の能力に磨きをかけることを忘れてはなりません。

そして多くの人々が住みやすい環境を実現できるよう、試験の先を見越した将来像を描きながら、日々の勉強に励んで下さい。

この業界は地味ではありますが、面白い側面も多々あります。
またストックビジネスですので、基本的にマンションは増える一方であり、将来性のある業界です。
(自分自身にも言えることですが)一人でも多くのマンション管理士が社会的に活躍する機会が増えることを願ってやみません。

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